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    携帯の着メロのアレンジをしちゃおう

 〜なるべく音楽的な知識を使わずに行う方法を考える〜

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 こんにちは。このコーナーではイカPの曲の着メロ版を以前

投稿させていただいた木場でございます。

 今回はなるべく音楽的な知識を覚えずに単音の着メロのアレ

ンジをしてしまおうという計画であります。
  
 「単音でアレンジ?単音なんだからメロディだけ入れれ
  ばいいじゃん」

と思うでしょう。それでは以下の2つファイルを聴き比べて下

さい。

●聴く前に実行してください(音色設定)               =非対応メニューです

●メロディのみを聴く                                 =非対応メニューです
●アレンジ済みを聴く                                 =非対応メニューです

 単音でメロディだけだと長い音の時に間延びしてメロディが

分かりにくくなったりしませんか? そんなときに今から示す

方法をやってみると以外に効果的かもしれません。

 ということで、今から実際やるわけですが、要は間延びして

しまうところに適当に音符を入れてやることで、少しの空白を

埋めてしまうだけなのです。

 音符を埋める方法は2通り考えられます。

(a) メロディの間を縫うように流れる音で埋める

(b) 曲のコードの音で埋める

 これだけだと分かりにくいと思うのであとで実際の例を参考

にして下さい。

 と、その前にまずは音を埋める前に埋める準備をしましょう。

メロディを細かく区切って、どこに音を埋めればよいか明確に

させます。

 下は僕の曲「machi1」の冒頭のメロディです(この曲は

[k.sign +c,+f,+g]コマンドがあるので、実際はc,f,gの音程は

半音上がります。音を鳴らすとき注意して下さい)。

(t2)  l4ab[do] <cd8e8c>b8a8f2. a8b8< ce8d8ef8e8d2.

 メロディを細かく区切るため、このメロディの最小単位を探

します。ここで音符になれていない方のために復習ですが、音

符の数字が大きいほど、音符の(時間的)長さは短くなって、

音符の数字が1/2になれば、長さが倍と言う関係があります。

例:
c1−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−→
c2−−−−−−−−−−→c2−−−−−−−−−−→
c4−−−−→c4−−−−→c4−−−−→c4−−−−→
c8−→c8−→c8−→c8−→c8−→c8−→c8−→c8−→
c16c16c16c16c16c16c16c16c16c16c16c16c16c16c16c16
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−→時間

 メロディを細かくするには時間の短い、数字の大きい音符で

表す必要があります。たとえば、前述の「machi1」では、音長

8(音符の数字が8)が一番短いので最小単位になります(た

だし、たとえば、音長16が曲の中で1,2回くらいしか出て

こないのに音長8が沢山出て来るような場合は、音長8を最小

単位と考えて差し支えないです)。

 そして、ここで出てくる音長4(音長が省略されているもの

はここでは「l4」で示す音長4になります)、音長2.(後ろに

点の付くものは、音長を1.5倍します。「2.」なら2&4、

「4..」なら4&8&16という風になります)は、初めの音長8は音

符、残りを休符で表して、そこが音の空白になってしまってい

ることを明確にします。

 例えば、
c4 → c8r8
f2. → f2&f4 →f8r8r8r8 r8r8

「machi1」の冒頭はこうなりました。

(t2)  l8 arbr [do] <crde cr>ba frrr rr ab< cred erfe drrr rr

 音長はすべて8になったので「l8」で省略しています。休符

「r」の部分がメロディの空白です。

 これで準備が出来ました。先ほど出した2通りの方法を実践

してみましょう。

 まずは(a)ですが、「machi1」ではメロディの間に以下のパ

ートが間を縫うように流れています(こういうパートをカウン

ターラインと呼んだりします)。

(t3) l8re<dc> [do] rfa<c> rga<c> afabg2
(t3) rea<c> eg-a<c>  af<dc>b4 ab<

 これも細かくしてしまいましょう。

(t3) l8re<dc> [do] rfa<c> rga<c> afabgrrr
(t3) rea<c> eg-a<c>  af<dc>br ab<

 そして、2つのパートを並べて比較してみると、

(t2) l8 ar br  [do] <crd e  cr>b a  frrr rr ab
(t3) l8 re<dc> [do]  rfa<c> rg a<c> afab gr rr
                                     !!! !

「!」で示した部分が見事にカウンターラインだけになります。

 なので、その部分を合体させましょう。ただし、そのまま合

体させてしまうと、どこがメロディでどこがカウンターライン

だか分からなくなってしまうので、カウンターラインの部分を

1オクターブ下げてしまいます。

(t2) l8 ar br  [do] <crd e  cr>b a  f>fab g4< ab
                                      !!! !
 !の最後のgが音長4になっていますが、これくらいは長くし

ても構わないでしょう。

 で、あとの「r」は短すぎるので、カウンターラインの音を

入れてもその部分がメロディックにきこえないのであまり意味

がありません。

 そこで、(b)の出番です。

 伴奏の延ばしの音を見てみましょう。

(t4) o2l2a4e4 [do] fade fg-dd cdg-d dfee
(t5) o3l2e4d4 [do] eefg ee fa efd d aad>b<

延ばしの音は1音1音の長さがそのコードの(時間的)範囲な

ので休符にせずに細かくすると、

(t4) o3l8aaee [do] ffffaaaa ddddeeee
(t5) o3l8eedd [do] eeeeeeee ffffgggg

となります。そして、さっきと同様にメロディと比較するんで

すが、ここで和音の基礎になる音があるのを知っていますか?

たいていの曲でそれは一番音程の低い音、つまりベース音にな

ります。ここでは(t4)のほうが低いので、(t4)と比較すると、

(t2) l8 ar br  [do] <crd e  cr>b a  f>fab g4< ab
(t4) l8 aa ee  [do]  fff f  aa a a  d ddd ee  ee

となり、メロディの休符を埋めると(ここで、適度に1オクタ

ーブさげています)、

(t2) l8 a>a< b>e<  [do] <c>f<d e  c>>a<b a  f>fab g4< ab

となります。

 ちょっと、駆け足でやってきましたが、このようにしてメロ

ディの穴埋めをやっていきます。出来たMMLをCMSファイルにし

て(そのやり方は以前の号を確認して下さい)着メロに入れて

下さい。

 なるべく音楽的知識を使わず、といっていた割には使ってし

まったような気もしますが、割と理詰めで考えられるので、既

存曲の打ち込みやプログラムの作れる方には以外と出来てしま

うのではないでしょうか?

 ちなみにこの方法でアレンジしやすい曲としにくい曲が、曲

の構造上どうしても出てしまうのですが、僕がざっと見てアレ

ンジしやすそうだと思ったイカP曲を紹介します。

og1.zms
pt031mk.zms
 (僕がアレンジしたことのある曲は割とやりやすいです)

da_act1.zms
 (僕の曲はメロディのリズムがつかみやすいはずです)

kw13.zms
kw17.zms
 (元々音数の少ない曲はやりやすいのではないかと思います)

 ほかにも沢山あると思うのですが、紹介しきれなくてごめん

なさい(本当はイカPにのった全ての曲を聴いてから紹介すべ

きなんですが、なにぶん時間が足りなくて)。


 ちょっと説明が悪い部分もあると思うので、分からないこと

はメール等質問していただければ、と思います。

メールは kobatake@parkcity.ne.jp

ホームページは 
 http://www.parkcity.ne.jp/‾kobatake/index.htm(掲示板あり)


 それでは。



(EOF)